ネットワークエンジニアを目指そうとしているけど、いまいち業務内容のイメージが湧かなかったり、どんな会社があるか分からないといった不安を抱えている人は多いと思います。
今回はこの業界7年目の私が、これからネットワークエンジニアに就職・転職を考えている人向けに上記の内容について語ります。
私は新卒で通信キャリア系のネットワークエンジニアとして入社し、その後転職しアプリケーションサービスプロバイダーのネットワークエンジニアとして働いています。
なお、転職して間もないことから、以下の内容はキャリア系ネットワークエンジニアとしての経験がもとに書いています。
ネットワークエンジニアってなに?
そもそもネットワークエンジニアとはどういうお仕事なのか、についてご紹介します。
ネットワークエンジニアはルーターやスイッチ、ファイアーウォールといったネットワーク機器と呼ばれる装置を専門に取り扱うITエンジニアの一種です。
会社によってはシステムエンジニアの一部門として存在していたりします。
企業や官公庁、通信キャリアの通信システムを提案、設計、構築、運用、保守しているのがネットワークエンジニアという人たちです。
企業や官公庁にシステムを取り扱うSI系の会社と、通信キャリアのシステムを扱うキャリア系に大きく分類され、私なんかは通信キャリア系のネットワークエンジニアになりますね。
NTTのように大きな会社だと、自社のキャリアネットワークを扱う部隊と、企業や官公庁のシステムを取り扱う部隊が別個存在しているケースもあります。
キャリア系ネットワークエンジニアの業務内容
大きく以下に分類することができますが、これら以外にも数多くの技術部隊を抱えています。
ネットワーク検証業務
新しいサービスの導入や、メーカーのサポートを受けれなくなった装置の更改する際に行う技術検証を行います。
通信キャリアのネットワークは高い要求仕様が求められていますので、その基準を満たすことができるかのテストが目的です。
性能面や異常時の動作までかなり詳細に調べますので、高い知識が求められます。
ネットワーク構築業務
ユーザ増加に伴う増設やネットワークの切り替えといった工事業務を行います。
日本各地にある作業拠点と連携して工事を進めるため、技術力はもちろん高いマネジメント力が求められます。
ネットワーク監視業務
日本各地に構築したネットワークの監視を行います。
通信障害が発生した際は、最前線で障害ポイントの切り分けで回復対応を実施します。
特に電話などのサービスは人命にも関わることがあるため、高い緊張感の中正確かつ迅速に作業をこなす胆力が必要です。
SI業務
SI(システムインテグレーター)と言います。
上記でSI系とキャリア系に分けれると書きましたが、大手のキャリアは自社のインフラ部門とSIの部門を持っています。
他のSI企業と同じく、お客様のネットワークシステムの提案や構築を行います。
キャリアの場合は使用する技術分野は限定的ですが、こちらはお客様の数だけ要件が異なるので幅広い分野をカバーする必要があります。
給料は高い?低い?
会社によりますが、業界の平均的には一般的な水準よりやや高い程度だと思います。
こちらはdodaさんが掲載している業種ごとの平均年収です。
業種分類 | 平均年収 | ||
---|---|---|---|
全体 | 男性 | 女性 | |
メーカー | 453万円 | 492万円 | 366万円 |
金融 | 448万円 | 540万円 | 370万円 |
総合商社 | 446万円 | 487万円 | 376万円 |
IT/通信 | 444万円 | 471万円 | 386万円 |
メディカル | 426万円 | 510万円 | 357万円 |
建設/プラント/不動産 | 418万円 | 451万円 | 349万円 |
インターネット/広告/メディア | 407万円 | 448万円 | 364万円 |
専門商社 | 406万円 | 443万円 | 343万円 |
サービス | 369万円 | 405万円 | 328万円 |
小売/外食 | 353万円 | 390万円 | 309万円 |
他の業種と比較しても突出して高いわけでも低いわけでもありません。
私は30歳手前ですが、大きく外れていないと思います。
また、上記でも書きましたが、仕事の工程には「提案→設計→構築→保守運用」となっており、上流の肯定ほど専門性があがり、給料も比例して増えてきます。
未経験で転職される場合は保守運用系の仕事から始めるのがよいかと思います。
ネットワークエンジニアはブラック?
なんとなくIT業界はスーパー過酷な労働環境なイメージがありますが、最近は環境が整備され、以前ほどブラックな環境ではないと思います。
通信キャリアにいたころは、残業する方が稀で、組合の力も強いため残業をさせるなという風土がありました。
また、有給についても取得率はほぼ100%だったりします。
SIの部門にいたころは、お客様の都合で休日出勤やお叱りを受けることもあったり、ややハードな印象を受けました。
また、ネットワークは繋がって当たり前と考えられており、通信障害が起きた際には、心身ともにかなり消耗します。
が、まあそこがやり甲斐だったりするわけで、その人の気持ちのもちようだと感じています。
女性も働いています
男性が多いイメージがある業界ですが、女性のエンジニアもいます。
むしろ多様性を取り入れて多く採用することもあります。
さすがにWeb系のエンジニアには敵いませんが、女性も活躍している業界だということは確かです。
最近では女性の管理職も結構見かけるようになりました!
ネットワークエンジニアになるためには
ひたすら勉強が必要ですが、弁護士などのようにめちゃくちゃ頭が良くないとなれない、というわけではありません。
国家資格や、ネットワーク機器メーカーが主催している資格を取得することが効率的な道だと思います。
特にCisco社のCCNAという資格はかなり有用で、入門としては十分で、即戦力として期待されます。
これはCiscoという会社がネットワークトップシェアを誇る会社であり、同業界のデファクトスタンダード的な立ち位置にいるからです。
他のネットワークメーカーであってもCiscoがベースだったりするので、Ciscogが操作できるととりあえずオッケー的なところがあります笑
専門の研修を受ければ1ヶ月でも取得できるのでコストパフォーマンスにも優れていますしね。
また余力があればCCNAの上位資格にも挑戦すると良いと思います。
とくに新卒であれば、就職活動には困らないでしょう。
ネットワークの業界におけるおもな資格が以下です。重要なものから記載します。
- CCNA | Cisco社
- ネットワークスペシャリスト | 国家資格
- LPIC | LPIC (サーバー系の資格だが、重要視される。
- 基本情報技術者試験 | 国家資格
- ドットコムマスター | NTTコミュニケーションズ社
ネットワークエンジニアの将来性
昨今の技術の進歩具合から想像すればわかるように、今やITがなければ世界は回りません。
みんなが毎日使っているLINEや金融、最近では農業に至るまでITの技術が広がっています。
それらの全てを支えているのがネットワークですので、将来性や、やり甲斐は十分にあります!
あとネットワークにはあまり関係がありませんが、ITに強いと友人や家族から頼りにされるので、自信もつきます。
以上、ネットワークエンジニアについて紹介しました。
とても奥が深く面白い業界だと思いますので、門を叩いてみてはいかがでしょうか。